7.10.2018

7/10/2018

キャサリン・リバーのモンスター・クロコダイル


長い捜索の末にようやく捕獲される

オーストラリア大陸、真ん中の上の方にある、土地の殆どが砂漠の地域Northern Territory(ノーザン・テリトリー=NT)。

日本でも某愛を叫んじゃうあの映画で有名になったAyers Rock(エアーズ・ロック)もとい、Uluru(ウルル)があるとこだよ。

そのNTでこの度、体長4.7メートルの巨大クロコダイルが、地元のパーク・レンジャーらによって捕獲された。

Photo credit: NT Parks and Wildlife

デンジャラスな生物がいっぱい住んでいることで知られるオーストラリアの中でも、特にソルトウォーター・クロコダイル(和名イリエワニ)は、中々アグレッシブな性質から危険度上位の生物だ。

件のクロコダイルが捕獲されたのはNTの北部にあるKatherine River(キャサリン・リバー)で、この流域内で捕獲されたクロコダイルの中では過去最大のものだそうだ。

キャサリンの街から60km下流で、NT Parks and Wildlifeのパーク・レンジャーによって捕獲された。

観光文化局のスポークスマンによると、Taylor's Park内にある私有地に仕掛けた罠から、体重600kgの巨大クロコダイルが移送されたそう。

彼(クロコダイル)ほどのサイズのクロコダイルがこの地域で発見されるのは非常に珍しいことだと、レンジャーたちが驚いていました。
Wildlife Operation チームがこれまでにキャサリン・リバーで捕獲してきたクロコダイルの中で、 最大のものです。
彼女によると、この辺で見つかるクロコダイルの平均は大体4.2メール程だそう。
大型のクロコダイルたちは、北部地域の河川を 誰にも見つかることなくあちこち移動することができるので、いつでもクロコダイルに対する警戒をしたほうが良いでしょう。
更にレンジャーたちは同日、2.3メートルの比較的小さなクロコダイルを、同じくキャサリン・リバーの罠から捕獲した。

レンジャーたちが今年5月に実施した上空からの調査によって、3頭の大型クロコダイルが観測された。

Elusive giant croc caught - Cairns Post

オーストラリアと英語とワニ

ちょっとややこしい「クロコダイル」と「アリゲーター」

日本語で一口に「ワニ」といっても、その他動物と同じく色々な種類のものがいる。

因みに英語で「ワニ」を表現するとき、「Alligator(アリゲーター)」と呼ぶこともあるけど、アリゲーターもワニ目に属する1種で、主にアメリカ大陸に住んでいる。

日本習う英語は主にアメリカ英語がベースだから、ワニを表す英語表現としてアリゲーターが一般的に知られているわけだ。多分!

クロコダイルとアリゲーターは、日本語で言う同じワニだけど、実際は全く別の種類のワニっていうちょっとややこしい自体が発生してしまうわけだね!

あと、オーストラリアにはアリゲーターは住んでないので、オーストラリアでワニを表す時は一般的にCrocodile(クロコダイル)が使われるよ。

オーストラリアのクロコダイルは2種類

クロコダイル科クロコダイル属のワニたちは、全部で12種類いるわけだけど、オーストラリアに住んでいるのはそのうちの2種類。

Saltwater Crocodile(ソルトウォーター・クロコダイル)と、Freshwater Crocodile(フレッシュウォーター・クロコダイル)だ。

もう名前からして一目瞭然の通り、それぞれSaltwater(海水)とFreshwater(淡水)を主な生息領域としているが、ソルトウォーター・クロコダイルの方は時には川を上って淡水域まで移動することもある。

オーストラリア人は基本的にめんどくさがりで、長ったらしい名前のものが好きじゃなく、なんでも短く略すんだけど、このクロコダイル達も例外ではなく、それぞれSalty(ソルティ)とFreshy(フレッシー)と呼ばれているから、覚えておくと良いよ!

どちらのクロコダイルもオーストラリアの北部1/3ぐらいのエリアに生息していて、南部では見かけることはない。

Saltwater Crocodile(ソルティ)

SaltwaterCrocodile('Maximo').jpg
By Obtained from Molly Ebersold of the St. Augustine Alligator Farm - http://www.fhwa.dot.gov/byways/photos/53733, Public Domain, Link

ソルティはいわゆるイリエワニと呼ばれ、オーストラリア以外にもインドネシア諸島やフィリピンを含め東南アジアを中心に、広い範囲に生息するワニだ。

最大の爬虫類としても知られ、記録史上最大のもは体長12メートルにも及ぶ(縦にしたらビルの4階分ぐらい)。

アグレッシブな性質で、オーストラリアのニュースで誰かがワニに襲われたっていうと、普通はこのソルティによる被害だ。

Freshwater Crocodile(フレッシー)

Crocodylus johnstoni.jpg
By Mark Marathon - Own work, CC BY 3.0, Link

フレッシーはJohnston's Crocodile(ジョンストンズ・クロコダイル)とも呼ばれ、和名はオーストラリアワニ。

和名の通りオーストラリアの固有種で、ソルティと対象的に主に淡水域に生息してるので、フレッシュウォーター・クロコダイルと呼ばれている。

通常は地上で動き回るのがあんまり得意じゃないワニたちだが、このフレッシーたちはその小柄で細身な体を活かし、短距離であれば走る(跳ねる)事ができるのだ!

走り方はちょっとアレだけど、なんと最高時速60kmにもなる。

とはいえ、性格は比較的におとなしめで、日長一日川べりで寝てたりする。こちらからわざわざちょっかいを出さなければ襲われることはまずない。

どちらのワニも保護対象だけど、人が住んでる近隣では捕獲・移送される

他の様々な動物と同様、オーストラリアのクロコダイルも革製品のために乱獲された歴史があり、どちらも現在は保護の対象となっている。

ただし、近隣に住宅街なんかがある河川や、遊泳できるビーチなんかでクロコダイルが発見された場合は、レンジャーたちによって捕獲され、保護施設へと移送される。

ケアンズの周辺の地域では、サメよりもこのクロコダイルの出現によってビーチが閉鎖されることも珍しくない。

またソルティたちは主にマングローブの林に住んでおり、ケアンズの周辺なんかでも歩いて入れるような場所も結構あるので、うっかりそういった所に探検にいったりしないように気をつけよう!

ケアンズとその周辺地域でワニを(安全に)見ることができる場所

  • Cairns Wildlife Dome(カジノの上にあるドーム型動物園)
  • Hartley's Crocodile Adventure(元々ワニ園だったけど、現在は元トロピカル・ズーの動物たちが引っ越してきたからワニ以外にもたくさんいるぞ)
  • Kuranda Koala Gardens(キュランダ村のヘリテージ・マーケット内にあるミニ動物園)
  • Rainforestation(キュランダ村の近くにある、アーミーダックに乗れる自然公園で、こちらも園内にミニ動物園がある)
  • Wildlife Habitat(ポート・ダグラスにある動物園、ちょっと距離はあるが規模はでかいぞ)

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