オーストラリア航空業界、依然として運休・遅延相次ぐ
ロックダウン明けてすぐのジェットスターよりかはましになったとはいえ、ですよ。
当時は「飛ぶ飛ぶ詐欺」って言われてたよね笑。
ここ2−3年は特に生活環境の変化が目まぐるしくてホリデーどころじゃない状況が続いてたんだけど、出来たら今年はどっかちょろっとでも旅行に行きたいなぁ。
さてつい最近オーストラリア政府機関であるBIRTE(Bureau of Infrastructure and Transport Reseach Economics)が公開したデータによると、1月の国内線の定時到着率は73.4%にしかならず、3.1%のフライトが運休となった。これは12月の63.6%定時到着、5%運休から改善されたものの、長期平均の81%定時到着、2.2%運休率には大きく離れている。
運休率は昨年同月と同じであるものの、定時到着率は2023年の76.6%から低下している。
また主要航空会社の中で運休率が最も高かったのはヴァージン航空で、カンタス航空の2倍の運休率を記録した。
定時到着率で見た場合もヴァージン航空は振るわず、67.9%しか定時到着を果たせなかった。カンタス航空は76.6%、ジェットスター航空は71.5%となった。
一方、地方航空会社のレックスは、大手航空会社よりも好調な成績を収め、運休率はわずか0.6%、定時到着率は77.3%だった。また、出発便の80%以上が定刻通りだった唯一の航空会社となった。
また国内で最も新しい格安航空会社であるボンザは、前月比で最も改善が見られた。昨年12月は荒天の影響で運休率がほぼ20%に達していたが、1月には3.3%にまで回復した。
Australian airlines are still cancelling, delaying, more flights than normal (9News)
オーストラリア航空業界における運休・遅延問題の現状
カンタスとかジェットスターとか、なんかもう遅れてもキャンセルになっても「またかー…」ぐらいの印象にしかならない程度には、「よくあること」として認識してしまってる感があるんだけど、慣れって怖いね。
各航空会社の近況
カンタス
1月の運休率は2.5%、定時到着率は76.6%で、12月に比べると改善が見られるが、依然として平均値を下回っている。
ヴァージン
1月の運休率は5.3%、定時到着率は76.9%で、主要航空会社の中で最も運休率と遅延率が高かった。
ジェットスター
1月の運休率は2.4%、定時到着率は71.5%で、カンタス航空よりは運休率と遅延率が低かったものの、やはり平均には届かなかった。
レックス
1月の運休率は0.6%、定時到着率は77.3%で、主要航空会社を含めて最も好調な成績を収めた。
ボンザ
1月の運休率は3.3%と前月の運休率20%から大幅な改善が果たした。
BITRE: https://www.bitre.gov.au/
運休・遅延の主な原因は人手不足もある
パンデミック以降の人員削減から、近年の観光業の回復に追いついてないっぽい
航空業界全体でパイロットや客室乗務員などのスタッフ不足が深刻化しており、運航スケジュールへの影響が出ている。
Covid-19によるパンデミックからのロックダウン、オーストラリアも割りと早期に鎖国を決定したことによって、多くの航空会社が例に漏れず大幅な人員削減を行い、国内線も含めて各州間の渡航制限がながびいていた影響もあり、パイロットや客室乗務員などのスタッフが不足している。
また、航空業界における国際的な競争の激化も、国内の人手不足の一旦を担っている。特に中東やアジアの航空会社との競争が影響していると見られ、その原因としてこれらの航空会社がより高い給与や福利厚生を提供していることがあげられ、オーストラリアの人材を引き抜いている。
航空業従事者てちょっと華々しいイメージあるけど、実際はそうじゃないらしい
昨年のファイナンシャルイヤーにおけるオーストラリア全体の平均週給は$1,863.20だったのに対し、航空業界の平均週給は$1,572.40だったそう。
また2023年11月にPwC Australiaが発表した「Aviation in Australia 2023」によると、オーストラリアの航空業界の平均給与は、他の業界と比べて約10%低いとされている。
それに加えて観光客の増加もあり、現状は需要と供給のバランスが取れていない。
昨年末、オーストラリア政府は、航空業界の人手不足問題に対処するため、パイロットや客室乗務員の訓練費用を補助する制度を導入すると発表、また、カンタス航空はスタッフの基本給を3%引き上げることを発表した。
日本の航空会社すごい
この件に関して調べるにあたって、日本の航空会社の運行状況もちょっと気になった。
対象はオーストラリアと行き来があるJALとANA。わかっちゃいたけど、改めて数字として比べると、日本の航空会社の安心感すごいなと思った。お高くて手が届かないから使わないけど。
過去3ヶ月間の遅延、運休、定時発着率
JAL
遅延率2.5%・運休率0.3%・定時発着率97.2%
ANA
遅延率3.1%・運休率0.2%・定時発着率96.7%
因みにこれは2023年12月から2024年2月までの、国内線と国際線を含めたすべてのフライトのデータだそう。
どちらも定時発着率が96%を超えており、オーストラリアの航空会社と比べるとかなり高い水準であることがわかる。とはいえ、同期間中は日本国内でも比較的気候が安定していて、運行状況が良好だったというのもあるっぽい。
方やこちらは中々エクストリームな天候が続いてるもんね!
これから春休みに入ってまたインバウンド・アウトバウンドともに繁忙期を迎えると思われるので、フライトをご利用の際には事前の確認、また、当日は早めにフライトの状況を問い合わせるなど、不測の事態に対処しやすいようにスケジューリングを心がけよう。
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