Jobs and Skills Australiaによる移民受け入れ提案の内容が微妙
Jobs and Skills Australiaが提案した特定職業の移民受け入れを迅速化する案が議論を呼んでいる。
この提案は人材不足解消を目的としているが、犬の訓練士(ドッグトレーナー)やヨガインストラクターといった職業が優先され、建設労働者の不足を軽視しているとの批判がある。
特に建設業界は、深刻な住宅不足の解決には建設労働者の移民受け入れが不可欠と主張している。政府は見習い制度や訓練プログラムへの支援を強調しているが、業界の反発は続いている。野党は、政権交代後に移民受け入れ数を削減し、建設労働者の受け入れを優先する方針を示している。
一方、この提案を支持する声もあり、多様な職業の移民を受け入れることで、経済成長と文化的多様性に貢献すると主張している。しかし、特定の分野で労働者が過剰に供給されると、賃金が下落する可能性があるという懸念もある。
この論争は、移民政策がオーストラリア人労働者と経済全体に利益をもたらすことの難しさを浮き彫りにしている。
今後、政府がどのように対応し、提案を修正するかが注目される。この議論の結果は、オーストラリアの移民政策の未来を大きく左右することになるだろう。
クイーンズランド州における特定職業の人材不足
因みにクイーンズランド州では、以下の職業が特に人材不足に直面している。まあほとんどの職業は万年人手不足にあるものばかりなんだけど。
ヘルスケアと社会福祉 - Healthcare and Social Assistance
- 看護師と高齢者介護職:医療課題の管理と高齢化社会への対応に不可欠。これに加えて障がい者ケアに関連する人材も、フィールド/オフィス共に常に求人がかかっている職業だ。
- メンタルヘルス専門家:心理学者、カウンセラー、ソーシャルワーカーの需要が増加。
建設とエンジニアリング - Construction and Engineering
- 土木および電気エンジニア:インフラプロジェクトの進行に伴い高需要。最近は特にこの雨季に各地で起きた大規模な災害の復興とインフラの災害対策アップグレードに伴って人材の需要が急増している。
- プロジェクトマネージャー:特に建築と建設管理において必要。
教育 - Education
- 幼児教育者:政府のイニシアチブと資格を持つ卒業生の不足による重大な人材不足。
- STEM教師:将来の教育成長のために必要。因みにSTEM Teacherとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の4つの分野を統合的に教える教師のこと。
技術とサイバーセキュリティ- Technology and Cybersecurity
- ソフトウェア開発者:新技術に精通した専門家の高需要。
- サイバーセキュリティ専門家:増加するサイバー脅威への対策が必要。
技術職と肉体労働 - Trades and Labor
- 自動車整備士:メカニック、オート・エレクトリシャンなどの需要が高い。
- 労働者と機械オペレーター:建設と採鉱分野で必要。
営業(販売)とビジネス開発 - Sales and Business Development
- 営業代表(Sales Representative)とビジネス開発マネージャー:市場拡大と事業成長に不可欠。
管理とオフィスサポート - Administrative and Office Support
- 事務助手とエグゼクティブアシスタント:さまざまなビジネス運営をサポート。
Jobs and Skills Australiaの2023年における需要を元にしたスキル優先リストは、これらの分野での専門家の緊急性を強調している。
クイーンズランド州はこれらの重要な分野に焦点を当てることで、労働力を強化し、経済発展を促進し、将来の需要に効果的に対応しようとしている。
因みにQLD以外も含めた全国の職業需要リストはJobs and Skills Australiaからアクセスすることができるので、職探し、転職などの参考に覗いてみるのもいいかもしれない。
また、オーストラリアでビザを取って移民を考えてる人々にとっても、どの職種に高い需要があるかを知っておくのは、今後の就職先選びやその為の資格を取る際の参考になるだろう。
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