50年以上前に絶滅したイースタン・クオール、オーストラリア本土に再導入
50年以上前に絶滅したイースタン・クオール(ヒガシフクロネコ)が、ついにオーストラリア本土に再導入された。
今回の再導入は、ジャーヴィス湾の南、シドニーの南に位置するブーデリー国立公園で行われ、野生生物当局が19匹の有袋類を放すことで、地元の生態系を改善することを目指している。
イースタン・クオールってどんな動物
イースタン・クオールはオーストラリア原産の小型肉食有袋類で、かつてはオーストラリア南東部の広い範囲に生息していたが、現在はタスマニア島にのみ生息している。
体長は約60cm、体重は約1.3kgで、小さなイエネコほどの大きさである。柔らかく厚い毛皮には小さな白い斑点があり、ふさふさとした尾の先端は白い場合がある。体色は黄褐色と暗色の2種類が存在する。
生態と行動
イースタン・クオールは森林、高山地帯、低木地、草原など、様々な環境に生息し、昆虫、小型哺乳類、鳥類、爬虫類などを捕食する。夜行性で、日中は巣穴で休む。単独で生活し、繁殖期にのみつがいを形成する。
再導入の背景
WWFオーストラリアの再野生化プログラムマネージャー、ロブ・ブリュースター氏は、
これらの種が何十年もの間、本土を再び故郷と呼べるように期待されています。
と述べた。
ニューサウスウェールズ州での今回の再導入は、重要な一歩である。
公園内の新しい住まいには、キツネから保護するための柵が設置される。
ここでの戦略は、フェンスの後ろで十分な数を繁殖させ、捕食者についての認識を高めることです。フェンスを超えた再導入をテストするには、十分な数が必要です。その後、野生に戻すテストを始めることができます
イースタン・クオールの役割と保護活動
イースタン・クオールは生態系において重要な役割を果たしており、獲物の個体数を制御することで、健全な生態系の維持に貢献している。また、オーストラリアの自然遺産の重要な一部でもある。
現在、保護活動の一環として、本土のいくつかの地域への再導入プログラムや飼育下繁殖プログラムが行われている。これにより、イースタン・クオールの個体数を増やし、彼らの生息環境を保護することが期待されている。
イースタン・クオールの再導入は、オーストラリアの生態系にとって大きな前進である。この取り組みが成功すれば、他の絶滅危惧種の保護にもつながる可能性がある。今後の進展が楽しみだ。
Eastern quoll: Formerly extinct quoll reintroduced to mainland Australia after 50 years - 9News
クイーンズランド州北部に生息するイースタン・クオールの仲間、ノーザンク・オール
ミウラには見た目は同じにしか見えぬよ…。 |
実はクイーンズランド州北部にも、よく似た仲間のノーザンクオールが生息している。
イースタン・クオールとノーザン・クオール:共通点と違い
どちらも肉食有袋類で、昆虫や小動物を捕食する。夜行性で単独行動を好み、残念ながらどちらも絶滅の危機に瀕している。
外見もよく似ており、小さなイエネコほどの大きさで、斑点模様の毛皮とふさふさした尻尾が特徴だ。
しかし、生息地には違いがある。
イースタン・クオールは森林や高山地帯を好むのに対し、ノーザン・クオールは森林に加えて、サバンナや草原などの乾燥地帯にも適応している。 また、体色も若干異なり、ノーザン・クオールの方がやや赤みが強い。
クイーンズランド州北部の生態系における役割
ノーザン・クオールは、クイーンズランド州北部の生態系において、イースタン・クオールと同様の重要な役割を果たしていると考えられる。生態系のバランスを保つ上で、肉食動物の存在は欠かせない。
両種とも絶滅危惧種であり、保護活動が急務だ。
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