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11.19.2022

地元陶芸家ピーター・トンプソンの伝記が書籍化されたよ!

知る人ぞ知る地元陶芸家の数奇な歩みとそのユニークな作品を鮮やかな写真とともに


今日も今日とて暑さがしみるよ!

こんにちは、ミウラです。ちなみに本日のケアンズの最高気温は33℃、湿度は50%程度なのに体感気温は35℃で日差しがジリジリするよ。外出の際には日焼け止めが欠かせない季節になったね。

さて本日はキュランダに住む”オールドヒッピー”の一人であり、ミウラの友人でもあるピーターについての記事を見つけたので紹介したい。ちなみに今回の出版された書籍の著者であるイアン自身もアーティストであり、ケアンズの学校でビジュアルアーツを教える先生だよ。

元船大工にして陶芸家ピーター・”ポッター”・トンプソン

Peter Thompsonの名前をググってみても、大抵候補に出てくるのは有名なプロゴルファーだったり、偉大なオーストラリア人ニュースキャスターについてのものだろう。だが、このファー・ノース・クイーンズランド在住のアーティストについての記事はそれほど見当たらない。

このピーター・トンプソンという人物は、いわゆる”デジタル・フットプリント”(SNSなどのネット上で辿ることができる個人の情報)が非常に少なく、また彼自身も広報活動や知名度が上がることを嫌っていることから、その方が性に合っているだろう。

しかし、そんな彼の卓越した技術と謙虚な人柄の物語が、地元でビジュアルアーツ教師を務めるイアン・ウィタカーによる新書”Clay & Spirit Peter Thompson"の中で見事に綴られている。

ピーターは1970年代前半から現在の自宅兼工房のあるキュランダに住んでおり、高温の薪窯を使った製陶を行う陶芸家だ。

”金銭的なことにはてんで無頓着な彼は、昔から変わらずとても手頃な価格で作品を販売している”

彼は山奥の不良オージーさ。

とイアンはTropicに語った。

しかし同時に強い仏教的な信条も持ち合わせている彼は、静観的、瞑想的な人生観に非常に関心を持っている。

かれこれ50年に渡り、海外の伝統手法を取り入れた壺や像、彫刻といった作品を作り出し、そうした彼の作品はオーストラリアの現代陶芸界隈の先端を担っている。

彼の作業には、日本や中国、韓国といった東アジアの伝統に強い根源を持っている。
こうした伝統の中では、もし技術を学びたい場合、自身の足で赴いて匠の元へ弟子入りし、直接学ばなければならない。

”当時のホロウェイズといえば、’フラワーパワー’の中心地的な、非常にオルタナティブなコミュニティだった”

ピーターは、彼の両親がデリを営むシドニーのノーザンビーチで育った。

船大工となった彼は1960年代後半にウィーパへ移り、後にメイチャンズ・ビーチ、そしてヨーキーズ・ノブへと流れ着いた。

イアンが言うには、ホロウェイズでピーターは似た者同士の集まりの中に自身の拠点を見つけたそうだ。

人々はビーチ沿いの市の土地に住んでおり、クロコダイル・ハンターやヒッピーも含めた多くの人が、自分で建てた家で素朴な感じのライフスタイルを送ることに興味を持ってたね。
そんな中で彼は一時期、陶芸を教えるレイ・ハリソンという男の隣の家に住むことになった。何度かレイとレッスンをこなす内、’これだ!’と思ったそうだよ。

1972年にキュランダの熱帯雨林に土地を購入したピーターは、そこに自身の家、そして後に道教の五行思想にちなんでFive Treasures Workshopと名付けられた工房を建てた。

工芸に熱心に打ち込んだ彼は(識字能力の欠如から高校を退学したにも関わらず)、中国、アメリカそしてオーストラリアで大学院レベルまでの勉強をこなした。

そうしてピーターは卓越した作品を生み出す優れた才能を身に着けた陶芸家となった、とイアン。

隔絶した熱帯雨林の中で、彼は技術を磨いてきた。
小さいながらも薪窯を使った陶芸家たちの国際的なコミュニティがあり、彼はそうした世界中の専門家たちと同等のレベルにあるだろうね。
彼のこともまた、小さなコミュニティ内ではよく知られている。
彼について見聞きしたことがあるという程度の人は、キュランダやケアンズにもたくさんいるだろう。でも彼の生み出す作品やそのクオリティに見合う程ではないだろう。
彼が注目に値するものを成し遂げたと感じたんだ。そしてそんな彼の活動や作業の様子を理解するためにも、誰かが出来るかぎり記録に残して置かなきゃいけないと思った。
きっと他にも彼の作品にインスパイアされて、それぞれのアート作品を磨く手がかりにする人々がいるだろう。

またこのClay & Spirit Peter Thompsonは、バイオグラフィーというよりかは、正にアーティストを称えたものとなっており、多様な伝統にインスパイアされ、このファー・ノースで作り出されたピーターの作品を捉えた美しい写真で彩られている。


元記事:New book celebrates the work of FNQ artistTropicNow
書籍:CLAY & SPIRIT - Peter Thompson ハードカバー$97、ペーパーバック$67



因みに今回この記事の中に差し込んだ写真は、数年前にミウラがピーターんちに遊びに行った時に撮ったものだよ。

ロックダウンに入ってからというもの、多分かれこれ2年以上はあってないと思うんだけど、心臓に持病を抱えている彼は、聞いたところによると最近寝てることが多くなってきたってことだから、できれば近い内に会いに行けるといいなと思う。

せっかくだから新しいカップとか足したい。3つあるうちの一番お気に入りだった大きいマグ、取手の部分をうっかりぶつけて壊してしまったのよな…。

Written with StackEdit.

11.18.2022

廃棄物を利用した服飾作家”トラッショニスタ”の見据える未来

廃棄物を利用した服飾作家”トラッショニスタ”の見据える未来



こんにちは、ミウラです。生きてるよ!

ケアンズは涼しく過ごしやすい冬の日々もすっかり過ぎ去り、春が来たかと思いきや夏が来るのがちょっと心配になるほどの暑さで日中はホント何もしなくても座ってるだけで汗が流れ落ちるよ!

まあそんなことならエアコン使えばいいんだけど、こうして画面に向かい合う集中力維持のためにも、効率を考えたら俄然エアーをコンディションするべきだとは思うものの、なんかあんまり窓閉めきるのが好きじゃないミウラはなんかあんまり使う気にならない。

作業効率が悪いのはわかってるんだけど!

いつか材料が底を尽きる日が来ることを願って

アーティストであり活動家の”トラッション(Trashion)デザイナー、マリーナ・デブリーズが夢見るのは、いつか彼女の作品に使う為の材料が底を尽きてしまうこと。

つまりそれはビーチからプラスチック、発泡スチロール、缶やボトルにビーチサンダル、マスクにライターに飲み物の蓋といったゴミが捨てられることが一切なくなるということだ。

ちなみに ”トラッション” とは文字通りトラッシュ(trash=ゴミ)を材料としたファッションから生まれた造語で、衣類に限らずアクセサリーやオブジェといったものも含まれる、近代アートのカテゴリーの一つとなっている。

デブリーズはもうかれこれ10年以上に渡って見事な”ビーチクチュール”作品を生み出しており、これまでアメリカや日本、オーストラリアで個展も行われている。

彼女のミッションは不必要なポイ捨てによってビーチや海が汚染されていることに関して人々の意識・関心を高めることにある。そんな彼女の巡回展Beach Couture: A Haute Messが明日(11月19日土曜日)よりCairns Museumで開催される。今回の作品展は ”グロテスクで面白い、かつ考えさせられる” ものとなっているそう。

蓄光プラスチックやポリエチレンを利用したTake-away Queenに、海原をテーマにして青と白のフェイスマスクから作られたガウンのPandemoniumWhite Trash−使い捨てライターやプラスチックのストローや食器や残骸から作られたドレス。

Cairns MuseumのキュレーターであるDr.ダニエラ・ヴェヴロヴァは、この作品展はデリケートなグレート・バリア・リーフのエコシステムの保存の重要性を理解する地元民やビジネスに大きな反響を呼ぶと見ている。

この作品展は、訪れた人々へプラスチックごみ汚染による問題に関心を寄せる機会を与えるでしょう。

また作品展へ訪れた人々は、美術館のSNSからこうした問題に関するコメントやアイディアをシェアすることができるようになっている。

意見をシェアしたい人は誰でも美術館のアカウント(@cairnsmuseum)をタグ付けするか、#BeachCoutureCMのハッシュタグを使って参加することができます。

またこの作品展では、JCUのスチュアート・ロッキー教授によってこの議題に関する一般講義を無料で提供することになっている。

Plastic Futuresと題されたこの公演は、11月25日金曜日の午後5時半から行われる予定で、トライブッキングのウェブサイト(リンク)から予約することができる。*予約必須

今回の作品展Beach Couture: A Haute Messは、11月19日土曜日から翌年2023年2月25日まで公開される予定だ。

元記事:A trashionista’s vision - Cairns LOCAL NEWS

”トラッショニスタ”マリーナ・デブリーズ(Marina DeBris)

プラスチックごみなどの廃棄物を再利用した作品に焦点をおいた、オーストラリアを拠点に活動するアーティスト。

主にビーチにポイ捨てされたり打ち上げられたりしたゴミを再利用したトラッション作品を多く作り上げてきたアーティストで、海上汚染問題への関心を高めるための活動や、環境保存団体への募金支援、NPOと学校の繋がりを作ることで子どもたちに環境問題に関する教育を広めるといった活動家でもある。

2021年には、300近くにもなるフェイスマスクをビーチから回収したそう。今回展示される作品に使われたものも含まれているんだろうね。パンデミック以降のオーストラリアはマスクの着用規制なんかもあって大量の使い捨てマスクが利用されたしね!

ケアンズでもフェスティバルなんかのイベントで似たようなテーマのドレスを着た人たちが練り歩いてるのをみかけるよね。まあやっぱりグレート・バリア・リーフがより身近なケアンズ民にとっても、海の環境問題は積極的に取り上げられる話題でもあるよね。

こうした環境もんだだけでなく、純粋にアート作品に興味があるだけの人にも目に楽しい作品展だろうから、興味がある方はぜひ足を運んでみてほしい。またCairns Museumではこの他にも作品展やケアンズの歴史について触れられる展示が開かれてるから、まだ行ったことがない人はこの機会に。

Cairns Museum

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